私はこのブログで何度も書いているが、現在の介護職員の給与は、その仕事内容に比して安いとは思っていない。問題なのは、キャリアを積んでも、優れた仕事をしても、それが給与に反映されないことであると。
これは今現在よりも、将来のことを考えた時により深刻である。
| 日本の社会保障制度
日本の年金制度は、これまで一般的であったサラリーマンや公務員世帯、そして家族経営で農業・漁業・工業・商業を営む世帯を想定して構築されているので、そこから外れた人は充分な保障など望むべくもない。
例えば最近結婚しない人が増えてきており、それは個人の選択として決して悪いことではないが、今の我が国の社会の中では、大きなデメリットを背負うことを覚悟しなければならない。
バリバリ働いてそれなりの収入を得ていれば良い。しかし、それこそ介護職では、今現在生活していくことはできても、安定した老後は望めない。もらえる年金額などたかが知れている。
特に女性。公務員やサラリーマンの妻であれば、夫の死後も夫が得ていた年金額は保障されるし、家族経営の仕事であれば定年なく働き続けられるが、独身であればそうはいかない。働きたくとも仕事はなく、もらえる年金も、自分のそれまでの納付額がそのまま反映されるだけだ。
現在パートタイマーであるとか、正規職員であっても月収が18万円程度とか、それでは将来、生活保護を受給した方がまだましな年金額になってしまう。
今は、同居している親の収入によって生活が成り立っているとしても、その親が死んだら?
| たとえ僅かでも収入が増えるように
男も女も、独身であればとりわけ、介護職としての現在の仕事に満足し、低い給与で生活していてはいけないのである。
と言っても特に女性は、そうそう介護以外の、好条件の仕事などないのが現実だろう。であれば、熱心に働き、収入が増える見込みがあれば貪欲に飛びつくべきだ。今の介護業界では、主任や管理職といったところまで上がるのはそう難しいことではない。
実のところ、やる気さえあれば誰でもなれる……と言いたいくらいだ。
独身の男性や30過ぎの女性が、特に欲もなく介護職として働いているのを見ると、お前は本当にそれでいいのかと言いたくなってしまう。他人の老後の世話をする仕事を続け、いざ自分が年老いた時には介護をしてくれる人もお金もない、それで良いのかと。
私も、自身の給与については、現在の仕事内容を考えれば不満はない。しかし将来のことを考えると、このままでは安定した老後は無理だと思うので、何とかしなければならないと感じている。
収入が増える見込みがあるのであれば、例えサービスの質の低い、劣悪な職場であっても、移ることを考えねばならないのかと。