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仕事に人を付けよう

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「日本企業は人に仕事を付ける。欧米企業は仕事に人を付ける」とよく言われる。

人に仕事を付けるということは、業務内容が明確でないままに人を雇い、「あなたにはこれをやってもらう」といった形で後から仕事を与えることだ。
そして仕事に人を付けるというのは、「あなたの仕事はこれをすることだ」と、業務内容と責任を明確にして人を雇う。


| 「人に仕事を付ける」のと「仕事に人を付ける」との違い

どう違うのか。
これまで、ある者が行なっていた仕事を、何らかの理由で別の者に行なわせなければならなくなった。人に仕事を付ける形だと、「ではこれからは、同じ部署内のあいつにやらせるとしよう」となる。仕事に人を付ける形だと、「その仕事をするための人を雇おう。または異動させてこよう」だ。
前者では、その結果、1人の人間の手に余る量の仕事を抱えてしまうことが起こる。そして仕事が停滞したり、過労となる。
また、そうやって仕事を抱え込んだ者が退職すると、業務が一気に回らなくなる。

終身雇用が前提だった日本企業が、人に仕事を与える形としていたのにはそれなりに理に適ったところもあったのだろう。しかし現代ではどうか。


| 私の例

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介護業界の場合、基本的には仕事に人を付ける形なのだが、それは主に介護や看護、調理などいわゆる現場業務の話。事務は人に仕事が付けられる。大手ではそうではないかもしれないが、私が属してきた組織ではどこもそうだった。
そして多くの仕事を抱えた結果、勤め続けられなくなる人が定期的に現れる。

今現在、私に「付いている」仕事を列挙してみよう。

  • 介護業務(他の全ての介護職員よりも過酷な勤務シフトで現場に入り、他の職員の手本となるような模範的な仕事が求められている)
  • 勤務シフトの作成と調整(自分の休みなどの希望を諦めざるを得ない等、少なくない自己犠牲を伴う)
  • リーダーシップの発揮
  • 労務管理(労働条件通知書の作成等)
  • 人事考課制度の運用
  • 求人広告の作成
  • 事業所の代表として社内会議に出席
  • 介護保険制度、老人福祉法等に基づく行政とのやりとり
  • 各種調査、アンケートへの回答
  • 介護行政や世論についての情報収集
  • 保険給付および利用料の請求業務
  • ケアマネジメント
  • 入居申込および利用者・家族からの相談への支援
  • 入居契約
  • ネットワーク管理および他職員のPC業務補助
  • 設備や介護用品の修理や購入

すぐに思いつくものだけで、これだけある。

所定労働時間のほぼ全てが介護業務で占められているので、現場に入る以外の全ての仕事は、夜勤中や勤務時間外に職場および自宅で行うしかない。
現状、これらの仕事を滞りなくこなせているとはとても言えないが、それが可能な人間などこの世に存在するのだろうか。

にもかかわらず、私は「できていないこと」だけを見られて社内評価が下がっているわけだが、それを書いても愚痴にしかならないのでやめておこう。


| 人を育てるということ

私もかつては人に仕事を付けた方が、その者の能力を最大限に活かせると考えていたこともあって、そんなブログエントリを書いたような気もする。
が、少なくともブログを休んでいたこの3年の間には、これではよくないと考えるようになった。

人に仕事を付ける形だと、思い切った任用がしにくい。「時間をかけて習得させるよりも、いますぐにできる者にやらせた方が早いし、仕事の質も良い」となってしまいがちだ。その結果、一部の職員に仕事が集中するだけでなく、人材が育っていかない。

思えば私自身、最初は「仕事に付けられ」た。介護の仕事を始めて2ヶ月でいきなり相談員に任命され、前任者からの引き継ぎもなく、何も分からず右往左往して毎日医師に怒鳴られていた。その結果、必死になって仕事を覚えていったのではなかったか?
その後事務主任なども兼任する形になり、つまり「仕事を付けられ」て破綻したのだが。

時には思い切った任用をしないと、人も育たないのかもしれない。

と言っても、今のうちの職場で仕事に人を付けようとしても難しい。相談員やケアマネは募集をかけても来ないし、現場から引っ張り上げるわけにもいかない。現場だって人は足りていないのだから。

いろいろと手詰まりになっていると感じずにはいられない。


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