The Cabinet of a Certain Care-Manager

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カテゴリー別アーカイブ: スタッフ

死ぬくらいなら逃げ出せばいいのに、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

過労による自殺に対し、「死ぬくらいなら仕事を辞めればいいのに。人生いくらだってやり直せるんだから」と感じるのはごく普通の感想であろう。

もちろん、そう口にする人も分かっているのだ。そうした普通の思考ができる精神状態ではなかったからこそ、死を選んでしまうのだと。理性的に考えられるなら、誰もそんな選択などしない。

分かってはいるのだ。ただ、それが自分の身にも起こりうることだと想像できないだけで。

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夜勤が怖い

これをお読みになっている介護職員の皆さんは、夜勤に入るのを怖いと感じたことはあるだろうか?

私もそうだったが、仕事を始めたばかりの頃は、無知であるがゆえに怖さはない。業務をきちんとこなせるだろうか、といった緊張はあるものの、怖さとは違う。
そしてある日、事故や急変、さらには死を目の当たりにして、初めて怖さを知ることになる。これは誰もが通る道だと思う。

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介護職員の平均給与が30万円を超えたそうです

介護職員の平均給与、月30万円超える 人手不足や加算で約1万円増 厚労省

厚生労働省は10日の専門家会議で、介護職員の処遇の動向を探る調査の最新の結果を公表した。いずれかの処遇改善加算を算定している事業所で月給・常勤で働く介護職員の給与は、昨年9月の時点で平均30万970円。2017年9月と比べて1万850円上がっていた。1万850円の内訳は、基本給が3230円、各種手当が3610円、一時金(ボーナスなど)が4010円となっている。

なかなかセンセーショナルな記事である。
一般の方が見れば、「介護職員って、給料が低いといったって、そこまででもないじゃん」と思うかもしれない。

実際のところはどうなのだろう。某ケアマネサイトでこの記事に付いたコメントを見る限り、「平均がそんなに高いわけないだろう」という意見がほぼ全てだ。

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ネット上の介護相談への回答を考えるのは、相談員としての訓練になる

生活相談員を育成する方法について考えていて、思いついた。

相談員として成長するためには、結局のところ相談援助の経験を積むしかない。何とかそれを疑似的に訓練することはできないものだろうか。
そうだ、ネット上の相談への回答を考えてみるのはどうだろう? と。

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「サチュレーション」をご家族さんにどう説明する?

今日は我ながら、細かすぎてほとんど病的だなと思う内容なので、読み流していただければ結構である。

さて、介護の仕事をされている方なら、サチュレーションとかSPO2(本当は最後の2はOの右下に小さな文字で書かれるが、いちいちフォントを変えるのも面倒なのでご勘弁を)とかいう言葉で表されるもののことはよくご存じだろう。

サチュレーション(saturation)とは飽和のことで、医療や介護の世界では、oxygen saturationつまり酸素飽和度の略として用いられ、これ以外のことを指し示すことはまずない。そして、いったい何における酸素の飽和度かについては、これまた動脈血以外ということはない。
よって、サチュレーションと言うだけで通じ、職員間で誤解を生じることはないはずである。

そしてSPO2とは、saturation measured by pulse oximeterの略、つまりパルスオキシメーターで測定したサチュレーションのことだとその昔に教わった覚えがあり、これまで疑ってもみなかった。
しかしこの度改めてネットで調べてみたら、日本医事新報によると、実のところ何という言葉の略かははっきりしていないらしい。

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現在の介護業界の危機的状況は、個人としてのチャンスでもある

介護職の待遇や労働環境の悪さが喧伝されれば、介護の仕事が人々から敬遠されるようになるのは当たり前の話である。
さらには現職の職員までもが「これではとても生活していけない」と介護業界を去って行ってしまえば、業界内に残されるのは、それこそ「介護の仕事ぐらいしか見つけられない」者ばかりになってしまう。
誰にでもわかる流れだ。

しかし、これはチャンスでもある。介護事業所内で「のし上がる」ためには絶好の機会だ。
考えてみるがいい。人手不足、しかもスタッフの能力低下は、組織内での競争相手のレベルが下がることに他ならないわけだ。
介護の仕事でも、それなりに高い位置まで登れば、他の仕事に比べてもさほど見劣りしない待遇を手に入れられる。さすがに被雇用者で年収700万円以上というのはほとんど不可能だが、450万円程度であればそれほど困難な道ではない。
ただし、あくまでも自分は現場の介護職員であり続けたい、というのでは無理。仕事を選ばなければ、という条件付きだ。

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介護報酬の引き下げに対して、介護職員ができること

成人の日もとうに過ぎたところで、ようやく今年初のエントリ。
今さらですが、あけましておめでとうございます。

さて、さんざん報道されているのでご存じない方はいないと思うが、4月の制度改正・報酬改定において介護報酬が引き下げられることが決定した。

介護報酬改定、給付費抑制へ2.27%引き下げを正式決定 | 介護・地域包括ケアの情報サイト Joint

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良き介護サービス提供者になりたければ、「利用者様」などという呼称は今すぐ止めよ

かつて介護サービスは行政による措置であったので、利用者はサービス提供事業者を選ぶことができなかった。お金も、利用者負担がなかったわけではないものの、行政から直接事業者に支払われていた。
こうした状況では、利用者を顧客とみなすことは難しい。

しかし介護保険制度が始まると、利用者を顧客とみなし得るようになった。利用者が事業者を選べるし、保険給付も利用者が受けているものを、事業者が代理受領しているのに過ぎないのだから。
こうした状況では、利用者イコール「お客様」と考えるのはむしろ自然であり、実際、「利用者様」という表現もよく目にするようになった。

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